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多動傾向と言われたり言われなかったり

目次

先生によって意見が違う

こんなご相談をいただきました。

OTの先生には多動傾向があると言われたが、心理クリニックの先生には多動傾向があるとは思わない、と言われた。

どちらが正しいのだろうか?

これはしばしばぶつかるお話です。

結論から言うと、「どちらも正しい」ということになるかなと思っています。

人のふるまいは環境によって変化するもの

作業療法士も医師も、基本的には先生方ご自身が見たお子さんのふるまいや受け答えなどから診断されます(心理検査の結果や生育歴の聞き取り内容などがあれば当然それも判断材料になります)。

たいていのOTの部屋は、色々と楽しそうなものが置いてあったり、広い部屋の別の場所で他のお子さんが活動中だったりして、どうしてもお子さんの気が散るような仕組みになっています。

ですから、OTの先生の目にうつるお子さんの様子といえば、あちこちをキョロキョロ見回したり先生の話を聞かなかったりどこかにすっ飛んでいってしまったりと、いわゆる「多動傾向のある」姿になってしまいがちなのです。

一方で、医師の診察室は、どことなくいかめしい雰囲気があったり、できるだけ静かで落ち着いた環境になるように調整されていたりして、お子さんもなんとなく大人しくなります。

また、お子さんが病院嫌いだったりすると、泣いたり、緊張で身体が強張ったりして、「多動傾向があるとは思えない」姿を見せてくれます。

状況、環境、対人要素を広く考慮する

人間って、誰でもそういうものですよね。

緊張して普段の自分の調子を出せなかったとか、つい気持ちがゆるんでいつも以上に騒いでしまったとか、誰にでもよくあることだと思います。

普段の環境とはまったく違う状況に置かれたお子さんの様子から、ごく短時間のうちに、お子さんの真の姿を見抜くということは、専門家といえども簡単なことではありません。

また、「老人施設に勤めている心理職が、子供対象の職場に移ると、クライアントがみんな多動に見える」という話もあります。

先生方の判断も、ご自身が普段接している相手の雰囲気に影響されうるということです。

つまり、冒頭の親御さんのご相談内容からわかることは、「このお子さんは、多動のようにふるまう時もあり、そうでない時もある」ということだけです。

どんな状況にあった時に・どんな人と一緒にいた時に・どんな働きかけを受けた時に、どのようにふるまったか、ということを広く考えて初めて、お子さんの姿が見えてきます。

診断名より、実際のお子さんの様子を優先

また、どんな診断名がついたとしても、「この子は多動傾向があるから○○という支援をする」と頭から決めてかかって、それ以外の支援をしないのでは、本当に効果的な療育になるかどうかは疑問です。

お子さんの細かい心の動きや変化、お子さんの現在地や、現在の心身の状態像を見落とし、支援にマイナスの影響が出ることもあります。

診断名は支援の参考にはなりますが、支援の内容を決めるのはあくまでお子さんの実際の様子からです。

場面や状況に応じて、柔軟に対応を変えていきたいものですね。

横断的に見守れるのは保護者だけ

広い時系列で、お子さんの心の動きに寄り添いながら様子を見守れるのは、お子さんに最も近い立場である保護者だけです。

療育を医師や作業療法などの施設任せにするのではなく、家庭で継続的に支援することが極めて大切な理由の一つです。

冒頭の質問をされた方も、「多動傾向があってもなくても、子供のことを受け入れ、見守っていきたい」とおっしゃっておられました。

こんなふうに支えていただければ、お子さんはきっと安心して、のびのびと自分の良いところを伸ばしていけることでしょうね。

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この記事を書いた人

楽しい療育の三輪堂 主宰

身体の原理原則で、育児も人生ももっと面白く。

ふとしたきっかけでゼロから独学で療育を学び、療育の知恵はあらゆる人に当てはまる人生の知恵であると確信。従来の療育知識に整体・武学体術・エッセンシャルオイル等を取り入れ、身体の原理原則にもとづいて無理なく心身を活かす道を提案中。日常生活のすべてが学びになり、よりよく生きるヒントに変わる生き方を実践しています。

活動フィールドは、情報発信・執筆・オンライン療育相談・身体と心のつながりを深めるセミナー・エッセンシャルオイルと整体を組み合わせたケア・志を発信する媒体作成など。

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