お子さんに○○を身につけてもらいたいが、口で何度言っても身につかない・・・

という悩みをお持ちの指導者・保護者にお勧めなのが「ポイント制」です。

 

生活の中でできることを増やすためには、取り組む課題に対してわかりやすい報酬を設定した上で、こまめに褒めてあげると効果的です。

また、たとえばAD/HDの傾向のあるお子さんは、目の前の課題に興味がなければ全くやる気が起こりません。

そんな時も、ポイント制が活用できます。

 

発達障害の診断の有無に関係なく、衝動を抑える力が弱いお子さん、集中を保つのが難しいお子さんに効果的です。

もちろん大人でも有効活用できますよ!

 

 

 

具体的な方法はこちら。

 

1.お子さんと一緒に目標設定する

2.その目標をクリアできたら即座に褒め、ポイントを与える

3.ポイントがいくつか貯まったら、軽いご褒美と交換するのもよい

 

一つずつ見ていきましょう。

 

 

 

1.目標設定

目標を設定するには、いくつか気をつけたほうがよいポイントがあります。

ここに気をつけて目標を設定すると、成果があがりやすいので、ぜひチェックしてみてください。

 

 

ポイント1:レベル設定
お子さんにとって、「ちょっとがんばればクリアできるハードル」を考えます。

難しすぎても簡単すぎても、やる気を失ってしまいます。

 

 

ポイント2:目標の数

あれもこれもできるようになってもらいたいという気持ちはとてもよくわかりますが、一度にいくつも練習するのは混乱のもとです。

生活の中で一番できるようになってもらいたいこと、1つか2つにしぼりましょう。

 

 

ポイント3:不安が強い子には成功体験を優先する

・保護者の指示通りに行動することに慣れていない

・不安が強く積極的に行動できない

・「どうせ自分なんてダメだから」といった自尊感情の低下が見られる

 

このようなお子さんには、生活の中で一番できるようになってほしいことではなく、ごくハードルの低い課題を設定して、「やってみたらうまくいった」という成功体験を持ってもらうことを優先しましょう。
たとえば、

 

・朝、お母さんがおはようと言ったら、おはようと答える

・トイレのあと、手を洗う

・ご飯の前にカーテンを閉める

 

このような目標が考えられます。お子さんやご家庭の状況に合わせて考えてみてください。

 

 

ポイント4:「具体的な行動」を目標にする

たとえばダイエットをする時に、「3ヶ月で10kgやせる」という目標を立てたとします。

これは、一見すると数字も入っていて具体的な目標のように見えますが、「具体的な行動」は含まれていません。

この目標を達成するためには、10kgやせるためにどうすればよいかを改めて頭の中で考えなくてはいけませんよね。

子供たち、特に発達障害の傾向のある子供たちにはこれは至難の業です。
ですから、この場合は、「間食をしない」「食事の時に1口30回かむ」など、10kgやせるためにどうすればよいかを具体的な行動に落とし込んだものを「目標」として設定するとよいのです。

 

子供たちの例でいくと、

 

「テストで80点をとる」ではなく「毎日、5つの漢字を、10回書き取りする」。

「妹とケンカをしない」ではなく「おもちゃを借りる時は『かして』を言う」。

 

このくらい具体的に落とし込んであげましょう。

テストで80点をとる、妹とケンカをしない、ということはとても素敵な到達点なので、「そのためにどう行動すればよいか」というところまで、もう一歩考えてあげてくださいね。

 

 

ポイント5:「しない目標」より「する目標」を

「○○をしない」という行動より、「○○をする」という行動のほうが達成しやすい目標です。

「○○をしない」ためには、気持ちをコントロールして立ち止まる必要があり、子供たちはこれが苦手です。

大人や、自制心が育っているお子さんの場合は「しない目標」もよい練習になりますが、そうでないお子さんの場合は、「する目標」に変えてあげましょう。

 

たとえば、

 

「間食をしない」ではなく「おやつはコンブとプルーンを食べる」

「ケンカをしない」ではなく「挨拶をする」

 

など、上手に言い換えてあげてください。

 

 

 

 

2.ポイントを与える

大切なのは、達成できた直後にポイントを与えることです。

ちょっと待っててね、などと待たせるのは絶対に避け、今していることの手をすぐに止めて、ポイントをつけてあげ、お子さんの行動を喜んであげてください。

そのためには、保護者も実行しやすく、お子さんにもわかりやすい「ポイントのつけ方」を工夫しましょう

 

 

例1:透明の入れ物を2つ用意して、片方に入れておいたビー玉やおはじきなどをもう片方に移動させていく方法。

ビー玉を移動させる動作がある、量の変化を目で見て把握できる、といった特徴から達成感を得やすい方法です。

容器にビー玉が落ちる音も楽しめます。

最初に用意しておくビー玉の数をコントロールすることで、「ビー玉が全部移動したらご褒美」など、達成度合いを設定することも容易です。

 

 

例2:台紙やノートにシールを貼っていく方法。

シール貼りが好きなお子さんにお勧めです。

年齢や、目標の内容にもよりますが、

「毎日1回練習して、2週間くらいで達成する(練習に一区切りつける)ことを目指す」

「生活のさまざまな場面で一日に何度も練習する」

などのパターンで台紙を用意しておきましょう。

 

台紙の例 ↓

 

参考までに、この台紙はこちらからダウンロードできます。

エクセルで簡単に作れますし、ノートに線をひくだけでも十分なので、お子さんの特徴に合わせて使いやすいものを工夫してみてくださいね!

 

 

 

 

3.ご褒美と交換

ビー玉やシールがいくつか貯まったら、好きなお菓子を買う、ゲームをする時間を15~30分与えるなど、わかりやすいメリットと交換してあげると、やる気を引き出すのに効果的です。

先の見通しをつけて、将来のメリットのために今がんばる、という練習にもなります。

 

課題の難易度に応じて獲得できるポイント数を変えたり、交換できるメリットの大きさによって消費するポイント数を変えたりなど、変化をつけて楽しむのもよいでしょう。

 

 

例:獲得できるポイント数のリスト

・朝、おはようが言えたら1ポイント獲得

・連絡帳を自分で書けたら5ポイント獲得

・ゲームを時間通りにやめられたら10ポイント獲得

 

例:交換できるメリットと消費するポイント数のリスト

・駄菓子を買う 5ポイント消費

・ゲームを15分できる 10ポイント消費

・新しいゲームソフトを買う 100ポイント消費

 

 

 

いかがでしたか?

細かく書きましたので大変そうに見えるかもしれませんが、やってみると案外簡単です!

年齢の低いお子さんほど素直に楽しんでくれる場合が多いですが、学齢の高いお子さんでも、見た目や働きかけ方を工夫すれば真剣に取り組んでくれます。

 

 

指導のご参考になればと思います。

それでは!