こんなご相談をいただきました。
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小学校2年生の女の子。
手先が不器用なところがあり、トイレの紙をうまく破けない。
拭くことも上手ではない。
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トイレでの所作を上手に行うには、手を上手に使えること、ボディイメージがしっかりできていること、が大切なポイントです。
一人で確実にきれいに拭けるようになるには少し時間がかかると考えていただき、じっくり練習していきましょう。
トイレットペーパーを破る練習法
トイレットペーパーをホルダーから切り取る動作は、大体このように分かれます。
1.必要な分だけ紙を引き出す
2.反対の手でホルダーのふたを押さえる
3.紙を切り取る
4.紙を畳む
このうちのどこでお子さんがつまずいているかをよく観察してみてください。
たとえば、2の動作が難しい場合は、ふたに重しをつけて、ふたを押さえなくても紙が動かないようにすると良いかもしれません。
またたとえば、3の動作で、紙の先端を持ったまま強引に引っ張っている場合は、ふたの近くの紙を持ち直して斜め上に引っ張り上げるように指導してあげると切りやすくなるかもしれません。保護者が少し切れ目を入れてあげるのも良いでしょう。
ノートのページを1枚ずつ破る、日めくりカレンダーを破る、といった動作も、3の動作の練習になります。
お尻をきれいに拭くためには、紙をきれいに畳むことも大切です。グシャグシャに丸めた紙では、きれいに拭くことは難しいですね。タオルやハンカチを畳んだり、折り紙を折ったりする遊びを取り入れると良いでしょう。
どうしても紙を切り取ったり畳んだりする動作が難しい場合は、あらかじめ丁度良い長さに切り取ったトイレットペーパーを用意しておいて、それを何枚か重ねればOKという状態にしておいてあげるのもよいと思います。
体の位置をつかむ
お尻は自分では見えないので、拭く時にどこに手を持っていけばよいかわかりにくいことがあります。
お風呂でお尻の穴に触ってあげたり、保護者がお尻を拭く時にウェットティッシュを使ったりして(濡れたティッシュの冷たい感じが意識に上りやすい)、お尻の位置をつかませてあげましょう。
お風呂で自分でお尻を洗うのも良い練習になります。
拭く手の動きを練習する
畳んだ紙を、畳んだ状態を保ったまま、落とさずにお尻まで運ぶというのは、小さなお子さんにはなかなか難しい動作です。また、拭く時にも一定の力を保つ必要があります。手を上手に使う練習を取り入れていきましょう。
たとえば、窓拭きやテーブル拭きなど、手のひらを広げて布巾を押さえながら動かす練習をお手伝いに取り入れるのもお勧めです。手のひらに適度に力を入れたまま、その状態を保って動かす練習ができます。
一緒に拭く動作をする
手を脚の間に下ろす、体をねじって後ろからお尻に手を回すといった動きはかなり複雑なので、手をどちらの方向に動かしてよいかわからないことがあります。お子さんの手に紙を持たせて、大人が手を添えて一緒に拭いてあげましょう。
拭いた紙を見て、紙に汚れがついた=お尻が拭けた、ということを確認します。最初は仕上げを保護者が行って、「きれいになったね」と一緒に喜んであげましょう。慣れてきたら、最後までお子さんの手を動かして一緒に拭いてあげ、どのくらい拭けばきれいになるかを確認するとよいでしょう。
トイレの所作に不器用さが感じられるお子さんは、トイレの場面以外でも、手先の細かい動作を練習するとよいと思います。
ブロック、あやとり、折り紙、ビーズの紐通し、パズル、コインを貯金箱に入れる、鍵を鍵穴にさして回すなど、指先を動かす遊びをたくさん取り入れていくとよいでしょう。
支援のご参考になればと思います。
それでは!